PSCADでは標準で単相及び三相の電源が存在します。
電源ごとに内部抵抗などのパラメータを設定することが可能です。
電力系統に主に用いられる電源は交流電源ですが、近年のトレンドである直流送電のために、直流電源も用意されています。
交流電源の指令値は最大値のため、実効値100[V]としたい場合は、電圧値を100√2=141.4[V]と指定する必要があります。
単相電源
PSCADにおける単相電源は「Sources」の4段目に配置されています。
ここでは4つのバリエーションがありますが、もともとは同じ素子のパラメータを変更したものとなっています。
ここでは1つの素子のバリエーションとして、4つが紹介されております。
単相電源をダブルクリックすると、次のようなダイアログが表示されます。
変更できるパラメータは以下の通りです。
- 素子名
- 電源の内部抵抗
- 接地
- Specified Parameters
- パラメータの設定方法
- 交流or直流
電源パラメーターの内部及び外部コントロール
電源のパラメーターである電圧や周波数のコントロール方法は、内部入力と外部入力の2つが用意されています。これらの2つの切り替えは、「Input Method」から行うことができます。
外部制御に変更すると、電源に矢印が現れることが確認できます。この矢印に対して値を入力することで、可変電圧源とすることができます。
入力値の扱いについてはこちらのページ[link]でも詳しく扱っています。
また、接地を行わないことも選択できます。
電源の内部抵抗を削除すると、R=0と表示されるようになり、純粋な電源単体となります。
また、直流電源は「Sources」上で見ることはできませんが、パラメータを変更することにより設定ができます。
簡易的な回路シミュレーション
簡易なRLC回路の電圧及び電流波形を出力してみました。電源電圧は100Vと設定しました。
二次遅れ系の波型が出力されていることが確認できます。
三相電源
三相電源でも、直流電源と同様にパラメータの設定を行います。
すべての三相交流は対称座標法からも分かる通り、「基本波」及びそのオフセット、相間不平衡である「零相」「正相」「逆相」に分解することができます。このことから、対称的な交流波型を用いてすべての三相交流を表現できます。
PSCADでは、三相電源を単線表記及び三線表記することができます。
主に単線表記は回路を簡略化して表示する際に用いられ、三線表記は特定に相に操作を行う際に用いられることが多くなっています。
また、単線表記を三線表記に、三線表記を単線表記にすることも容易に行うことができます。詳しくはこちらの記事[link]をご覧ください。
どちらの表記方法であっても、三相電源は基本的にU相からV相、W相に向かって120°ずつ位相が遅れて出力されるものと解釈すればわかりやすいでしょう。t=0の時にU相の位相が0となります。
【結線】
三相電源は一般的にY結線及びΔ結線が用いられます。
この内、Y結線を用いる場合は三相電源を接地、Δ結線を用いる場合は三相電源を非接地とします。
三線表記からも分かる通り三相電源の各相は一端で結線されていることから、Δ結線の線間電圧を実効値で設定する場合は、出力したい電圧を√2/√3倍して設定する必要があります。