PSCADでは条件を変えて(電源電圧を変化させる、事故抵抗を変化させる)などして、シミュレーションを何度も行いたい場合が出てきます。このときに使える機能が「Multiple Run」です。
Multiple Runでは回路の内部パラメータを変えた複数ケースを1回のRunで実行できます。
以下のURLに実際のシミュレーション実行例が掲載されており、こちらと併せてお読みください。
https://www.pscad.com/knowledge-base/article/463
Multiple Runの導入
Multiple runは「I/O Devices」の中にあるモジュールです。
[Multiple run]の中身
Input
(1) Ch.n
この端子はMultiple run実行時の信号データを入力します。
入力した信号に対して、それぞれの条件で実行した際の最大値及び最小値、絶対値の最大値などを記録することができます。必ずしもMultiple Runの実行には必要ではありません。
(2) Meas_enab
この端子はCh.nでの測定を有効にする時間範囲を設定します。
Meas_enabに1を入力すれば常に測定、time変数とステップ関数を組み合わせることで、特定の実行時間のみで測定を有効にすることができます。
Output
configrationで指定した条件が順次実行されます。
[configrationの設定方法]
データの保存
せっかくシミュレーションの連続実行を行っても、シミュレーションデータを適切に保存できていなければ意味がありません。
そんなときも大丈夫、PSCADにはシミュレーションを行ったデータを逐一保存する仕組みがあります。
シミュレーションデータの書き出しチャンネル設定
どのチャンネルのデータを書き出すか、PSCAD上で設定する必要があります。
設定は「Meter」から行います。
シミュレーションデータの書き出し先設定
同様にデータの書き出し先及び名前の設定を行う必要があります。
保存データの形式
データは.outで表される実データファイルと、.infで表される各チャンネルのinfoデータファイルに分けられます。また、「Last Run Only」と設定した出力チャンネルデータは、シミュレーションindexの一番最後の番号のファイルに保存されます。